さわの平凡な日常

普通の主婦の普通の日々をなんとなく。

お犬様

5年程前からでしょうか。久しぶりの友人に会うとかなりの確率で

「そういえば母に乳癌が見つかってな…。」とか、

「父が大腸癌になってん。」

「秋に義理の母が亡くなってん。」

とか。

とにかく親に病気が見つかった話や不幸があった話をよく聞くようになって来ました。

私達が歳とってきたんだから親もそれなりの年齢になって来ていてそれは当然。

でもね、古い友人であればあるほど友人のご両親の事もよく知ってる訳で、やっぱり気にもなるし心配にもなります。

だから近頃では久しぶりに会う友人には大体序盤で

「お父さん、お母さん元気?」

この会話が出るんですよね。


昨日会った友人にも

「それはそうと、お父さんお母さん元気?」

安否確認。すると、

「うん、お陰様で元気元気よー♪」


ああ良かった(●´ω`●)


「でもな…」


何なに(´⊙ω⊙`)?


「この前実家に帰ったらな、母親が『医療費がかさむわ〜』って愚痴っててさぁー」


「え?お母さんどっか悪いん?」


「違う違う、犬やねん。」


ん?犬(´⊙ω⊙`)?


そう、彼女の実家にはかなり前から飼っているワンちゃんがいます。もうかなりの高齢でどうやら腎臓が弱って来ているらしいのです。


「2日に1回5000円の注射を打ってな、1週間に1回10000円の血液検査してるねんて。犬の医療費だけで少なくとも月に10万円はかかってるらしいわ〜。」


月10万円?!

「お…お…お犬様( ̄▽ ̄;)?!」


「あ∑(゚Д゚)ごめん!!愛犬に何という事を!」


「いいよいいよ、ホンマにそう。綱吉もびっくりよ。」


嗚呼、友人が寛大な愛犬家で良かった。


とにかく、今の彼女の実家のワンちゃんにはもう治療は出来ないからこその注射だそうです。そう、延命治療。


「正直なところ、医療費は高いけど"延命"って思うとね。注射を止めたら死ぬのか思うとやっぱり辛いしさー。」


うーんΣ(-᷅_-᷄๑)

そうよね。単純に犬の医療費に月10万円って聞くと『高いよぉ( ̄▽ ̄;)』って思うけど、そうしなきゃ『愛犬が死にますよ』となると…出来るならやりたいよね。今やペットはペットでは無く家族、その家族の生死を自分に委ねられているのかと思うと確かに辛い。

まずは高い医療費を支払えるのか否か、更に支払えるのなら支払い続けるのか否か。どちらにしたって"否"の選択をする時は辛いです(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

治療の手立てが無かった時代なら生死の選択を迫られる事も無く、犬が不調で弱って来たら『死』のタイミングが訪れたと捉えて受け入れるしか無い。もしかしたら、その頃の方が心の負担は軽かったのかもしれませんね。

人は医学の進歩によって助かる有難さと供に心の負担を手に入れてしまったのか?!


歴史の授業で初めて"生類憐みの令"を習った時は

「お犬様?マジで?綱吉っていうか江戸凄いな!」

と、衝撃を感じたものですが、恐らく現代の医学の進歩とか今回の様な犬の医療費なんかを江戸時代の民衆が知ったら

「超絶お犬様やん!延命?平成凄いな!!」

なんてね、その衝撃たるや私達が感じた以上でしょうねー。


延命やら医療費やらストレスやら、この件については何もワンちゃんに限った話では無く人間も同じですよね。現代人の長寿とストレス、考え出すと夜も眠れなくなりそうだワΣ(-᷅_-᷄๑)

いや、眠れなくなりそうだワンワン(ᵔᴥᵔ)