さわの平凡な日常

普通の主婦の普通の日々をなんとなく。

南座に行こう!

玉三郎さん見に歌舞伎行こう!


年明けに母から誘いを受けました。


み…見たい(´⊙ω⊙`)!!


私、歌舞伎の知識はまるでありませんが、坂東玉三郎さんは見てみたい!テレビで拝見する限り、あの美しさは、あのお方は、あのお方だけは…

一度見てみたいよ(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)!!

ずっとそう思っておりました。

そりゃあもう、売り言葉に買い言葉で!

いや違う、

二つ返事で!飛びつきました。


イエィ!いざ、歌舞伎╰(*´︶`*)╯

せっかくの歌舞伎だからお着物で♪なんて事になれば素敵なのですが、残念ながらそうはいかない。でもでも、いつもよりはちゃんとした"よそ行きの格好"はしたい。て言うか"よそ行きの"ってねぇ…我ながら久しぶりに使ったよ( ̄▽ ̄;)TPOもドレスコードも有耶無耶になりつつある昨今、これはもはや死語なんじゃなかろうか?!とすら思います。

でもね、おばちゃんは歌舞伎に普段着で行く気にはなれない(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)!

だって歌舞伎なんてモノは…


完全に『よそ』です。

断じてホームでは無い(; ̄ェ ̄)


ですから、今となっては参観日くらいにしか登場しない"よそ行き"のウールのパンツとレザーのバッグを引っ張り出し、子どもと出かける時にはいつ何を引っ掛けられるか分からず恐ろしくて着られない為に眠っていた"よそ行き"のツィードのコートを引っ張り出して来ました。

久々の"よそ行き"

心、ウキウキ♪

と言う事で改めまして、子供と主人を置いて京都は南座へGO!


南座前は開演前ともなると"よそ行き"に身を包んだマダムで大変賑わっておりました。いや、最早ごった返してぎゅーぎゅー( ̄▽ ̄;)


マダム、マダム、マダム、1つ飛ばしてマダム、マダム、マダム…


所狭しとマダムの群れ。入り口に並ぶ訳でも無く「我先に」とひしめき合うマダムの集団。その群れの中から限られた数カ所の南座の入り口に向かってグルグルと流れ込む様子はさながら"ナンパオ"の様。

ナンパオを脱すると勿論中は全席指定です٩( ᐛ )و


そして開演。

玉三郎さん登場。


もうね…




とんでも無くめちゃくちゃ綺麗(´༎ຶོρ༎ຶོ`)!!



色っぽい(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)

なんと優雅な事か(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)!!

動いても止まっても指の先まで美しい!!


立てば芍薬

座れば牡丹

歩く姿は百合の花



頭をよぎる、正にこの言葉!

このことわざを考えた人天才やな(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)!

既にこの発想がガサツで悲しいですが、まさしく芍薬の様で牡丹の様で百合の花の様でしたよ。表現力の無さが又悲しい( ̄▽ ̄;)

その美しさに見とれてながら、自分の普段のセカセカした動きのガサツさを思い起こしてめちゃくちゃ恥ずかしくなりました。


何はともあれゆっくり動こうか、私。


そして、玉三郎さんって舞台からはけても、カツラ取って、着物脱いで、胡座かいて、うちわで扇ぎながら

「あーーー、疲れたわーーー( ̄◇ ̄)」


とか、せーへんねんやろうなぁ〜。

なんて無粋な思いが頭に浮かぶ。


更に、あまりの美しさに男性だという事を1ミリも思い出さない事に気付いた私。


そうや!玉三郎さん、男の人やった!


しかも、68歳て…


"おじいちゃん"やん( ̄▽ ̄;)


ウソーー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

これまでの人生で何一つとして女として"おじいちゃん"に勝る要素が無いーーー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)



本当ごめんなさい。

ちゃんとした歌舞伎ファンの方に本当に申し訳ない。

あまりの美しさにあれこれ思いっきり無粋な事ばかり考えて頭がパンクしそうでした。


パンク寸前のところで終演。

良かったε-(´∀`; )

「あーー、美しかったねーー♡」

母と余韻に浸りながら南座を後にしました。

母と別れて家路につく途中で1日完全に忘れていた主人からLINEが来ました。


「子供達と夕飯食べて帰ります」


どうやら3人で出かけたついでに夕飯を済ませて来てくれるらしい。有難い♡

私も何か食べて帰るという手もあったのですが、時間的に帰宅して皆んなが帰って来るまでにちょっとした家事が出来そうだったのでそのまま帰る事にしました。

地元の駅に到着すると夜だからか結構寒い。保温力の無い"よそ行き"のツィードのコートではかなり厳しい。普段なら。

「さっぶーーー( ̄▽ ̄;)」

ってコートの前でがっちり腕を組んで肩を竦めて合体ロボみたいな形でガシンガシンと強そうに歩くところですが、玉三郎さんの余韻に浸っていた私は実に優雅にゆっくりと歩いて帰宅しました。自宅マンションの下まで来てエントランス前で出会った宅配ピザの配達の人にもゆっくりと会釈。


今の私、優雅╰(*´︶`*)╯♡



さてさて、鍵、鍵。


鍵…


鍵…


あれ?

鍵…



無いΣ('◉⌓◉’)



無いよーーーーーーーーー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)!!



ガサガサと、よそ行きのバッグの中をかき回して探す。

優雅さゼロ。上品さ、女らしさ、完全にゼロであります( ̄▽ ̄;)


鍵忘れた(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

家を出る時はまだ家族が居たから鍵を持っていない事に気付かずに出て来てしまった。

「寒っっ!!」

急に寒さが身にしみる。空腹も手伝って倍増する寒さ。

もう…ダメだ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)


よし、マンションの下をウロウロしてるのも不審だし、近くのイタリアンのお店で夕飯を食べながら家族の帰りを待とう。ウチの2ブロック先にあるイタリアンのお店へ向かいました。

あれ?


あれれ?


貸し切りパーティー( ̄▽ ̄;)


どうする私?

隣にラーメン屋さんはあるけど…私この時間によそ行きの格好で1人でラーメン?よそ行きの格好をしている事が急にお荷物に感じて来た。


すっごい微妙( ̄▽ ̄;)


でも、他に何もお店が無い我が家の周辺。それに、このコート寒い!お腹も空いた。

背に腹はかえられぬ!ええい!!

ラーメン屋さんに入りました。


「いらっしゃいませ!お一人…ですか?」


ラーメン屋の店員さんも心なしか不思議そう。とりあえず1人なのでカウンターに座り、よそ行きのコートを脱ぎ、ラーメンと炒飯のセットを食べて家族の帰りを待ちました。


ラーメンは美味しい、炒飯も美味しい。でもね、優雅やら上品さやら玉三郎さんの余韻とか悲しいくらいに何処へやら飛んで消えてしまいました(´༎ຶོρ༎ຶོ`)

魔法の解けたシンデレラの如く現実に引き戻されラーメンをすする私。でもまだドレスだけは着ている様な?とっても変な状況に思う存分戸惑いました( ̄▽ ̄;)



玉三郎さん、とても儚い夢でした(●´ω`●)