おばけの本の話
「時代が変わって来たのね〜」
と思う事の一つに『怖い話』があります。
自分が子供だった頃って、もっと世の中には怖い話が溢れていた気がします。昭和のまだ今よりも色々と寛容だった時代、特に夏はテレビでも軽いおばけの話もあれば、めちゃくちゃ怖い心霊現象の特集とかありましたよね。有名な霊能者の方が居たり、稲川淳二さんの様な怖い話界のスーパースターを生み出したり…。小学生の頃はお盆の時期と言えば毎年『おもいっきりテレビ』の"あなたの知らない世界"で真昼間から涼を感じたものです。嗚呼、何と懐かしい話。
だから…
夏と言えば"怖い話"でしょ?!
夏と言えば"おばけ"でしょ?!
と思う私╰(*´︶`*)╯♡
子供達には絵本から始めよう!妖怪も幽霊も怪しい者は全部含めて、夏はおばけ。この雑な感覚で夏の始め頃におばけの絵本を探しました。でもねウチの子達悲しいかな
、超の付く怖がりなんです。せなけいこさんの『ねないこだれだ』すら、未だに怖がっています。
このクダリ、9時になると夜中→夜中はおばけの時間→そんな時間に起きている子はおばけになって飛んで行け〜。
コレがもう、とてつもなく怖いらしいです。
効果は絶大で、9時になるとめちゃくちゃ焦って布団に駆け込みます。親にとっては大変有り難い事なのですが、この怖がりさんはどうしたものか(ㆀ˘・з・˘)
めちゃくちゃリアルに怖いおばけの絵本なんて見せ様ものならきっと最後まで読めない。でも、ヌルい怖い話なんてそれはもう怖い話じゃないよね(ㆀ˘・з・˘)?!
さじ加減が非常に難しいのです。
いくつか選んだのですが、その中でも子供達に一番人気だったのがこちら↓
京極夏彦の妖怪絵本4『とうふこぞう』
妖怪のお話として、あの京極夏彦さん作なら何の不足もない!いや、これ以上の方なんて居るかしら?居たとすれば亡き水木しげる先生くらいでしょ?!
そんな私の勝手な判断でチョイスした訳ですが、これが絶妙なバランス。怖いーー!って事は無いけれど、怖く無くも無いんですよ。寧ろ
「こわい」ってゆーてるこの子の顔が怖いし( ̄▽ ̄;)
猫の顔も怖いし、部屋のあちこちに目玉とか変なのが居るのも怖い。ただ、怖いけど何処と無く可愛い。コレは"コワ可愛い"という新ジャンルなのでは?!
極め付けはコレ!
とうふこぞうが可愛い♡見た目もキャラも"とうふこぞう"が"とうふこぞう"らしく描かれていてなかなか良いのです。だって、豆腐を見せに来ただけ。とうふこぞうを初めて知った子供でもなんじゃそりゃ( ̄▽ ̄;)!!とツッコミたくなる愛すべき妖怪です。
"京極夏彦の妖怪絵本「笑」の巻"、となっているのがよく分かります。他の巻は普通に怖いので怖いのがお好みの方、妖怪と言えば絵本でも本気のヤツ!という方にはオススメです。
そしてもう一冊。コレは私が懐かしさのあまり思わず買ってしまった本なのですが、子供達にはとてもウケが良かったので改めて名作なのでは?と思っているモノです。
寺村輝夫のむかし話 『おばけのはなし』
懐かしくないですか〜?!
近代の小学生はどうか分かりませんが、昭和の小学生にはバイブル的だったこのシリーズ。思わず買ってしまったものの、
しまった、小学生用だ( ̄▽ ̄;)
もはや絵本でも無い…
小学生になるまで暫く封印しようかと思っていたのですが、試しに読んでみたら子供達がめちゃくちゃ気に入りました。見開きに一つは絵があるし、子供の感覚としては絵本の様なものなんでしょうね。
幼稚園児にも充分楽しめる様です。しかし、
「何でみんな着物着たはんの?」
子供達の素朴な疑問。確かに、おばけ、特に妖怪や幽霊の類いって着物なんですよね。
そりゃあ、昔話だからね!
大人の今の私はそう思いますが、でも私の子供の頃からこういった話は皆んな着物だったけど、私は何も思わなかったなぁ。何故?
ただ単に私が何も思わない子供だっただけという可能性は否定出来ませんが、一つ思い当たることが。
『まんが日本昔ばなし』があった!
あのアニメのおかげで昔話=着物という感覚が既にあったんですよね。だから他の昔話で着物だったとしても違和感無く受け入れていたという事でしょうか。そう思うと『まんが日本昔ばなし』は偉大だ!!
昔話である妖怪はともかく幽霊に関して言えば、もう洋服姿の幽霊とか出て来ても何ら不思議は無いですよね。いや、将来的には妖怪ですら洋服を着出すのかもしれません。それどころか考えてみれば、既に妖怪ウォッチなんて妖怪の概念は保ちつつ随分と進化した姿になってますものねー。
時代は移り変わって行きますね(*´꒳`*)
我ながら夏の終わりのこの時期に長々と何を言っているんだろう…と思いつつ、せめて、元祖妖怪はいつまでも着物姿で居て欲しいなぁ〜と思うのです(ㆀ˘・з・˘)